スギ花粉の平均的な飛散開始時期は、九州や四国の南部が2月上旬、関東南部が2月中旬、関東北部が2月下旬、東北地方は3月で、気温の上昇に伴って増加し、1ヶ月ほどでピークを迎えます。ヒノキはスギより1ヶ月 ほど遅く、ブタクサやヨモギは8〜9月が中心です。毎日の花粉の飛散量は、その日の天気に大きく左右されます。天気がよく暖かい日には多くなり、雨だったり湿度の高い日は少なくなります。また、スギの花が開くのは、昼間気温が高くなった時期です。しかし空中の花粉は、昼間は上昇気流にのって上空に運ばれ、夜に再び落ちてきます。ですから、前線の通過などがなく天気が安定している限りスギ花粉が多いのは昼過ぎと日没頃になります。
症状に合わせて的確な治療をすることによって、7、8割の花粉症患者さんが副作用もなく、症状がほとんど出現せずに花粉飛散季節を過ごせることが分かっています。仕事などに合わせて、症状によっては眠くならない薬も開発されています。花粉飛散開始2週間ほど前より投与を始める(季節前投与法、予防的治療)が一般的で、効果が高いことがわかっています。アレルギー治療は、原因物質を特定することと、薬や他の物質に対してのアレルギーがあるかどうか診断し、その程度によっての適切な治療方法を判断することが大切です。よって問診によるコミュニケーションが重要になります。 一般的な治療は 1、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の内服 2、抗アレルギー剤あるいはステロイドの点鼻薬 3、抗アレルギー剤点眼薬あるいはステロイドの点眼薬 が行われています。
★これらの療法は当院では現在行っていません。 減感作療法は抗原特異的な免疫療法とも呼ばれ、花粉の抽出液を少しずつ濃度を上げ注射して、身体を花粉に慣らす治療法です。花粉症の季節の3ヶ月以上前からはじめ、2年以上続けることが必要です。シーズンが始まる前に行うのが原則で、シーズンに入る直前では効果が低下する報告もありますが、個人差があるようです。