|
|
|
不整脈とは、心臓の電気的活動の正常でない状態のものの総称です。年をとるにつれ、だれでも少しずつ不整脈が増え、ストレス、睡眠不足、疲労などでも不整脈は起こりやすくなります。1日〜2日にわたって心電図を記録してみると、中年以上ではほとんどの人に、毎日1、2個は不整脈が見つかります。
不整脈の原因は、先天的なものや加齢に伴うもの、生活習慣によるもの、全身の病気、心臓の病気などさまざまで、健康な人でもときどき起こる生理的なものもあります。多くは治療の必要はありませんが、なかには失神や突然死につながるものもあるのです。
「怖くない不整脈」と診断される方が多いと、自分の不整脈も「怖くない」と自己判断してしまう事が非常に怖いことです。平成16年度の不整脈及び伝導障害による死者は2万人を超えています。
自覚症状のない場合も多いので、中年以上になったら人間ドックなど定期的な心電図の検査を受けましょう。動悸がする、脈が乱れるなどの症状がある場合は、早い内に検査をする必要があります。 |
|
|
|
|
心臓には4つの部屋があります。上側の右心房と左心房が血液を受け入れ、下側の右心室と左心室が血液を送り出しています。これら4つの部屋がリズミカルに収縮と拡張を繰り返すことで、心臓は絶え間なく全身に血液を送りだしているのです。正常な場合、右心房にある洞結節(どうけっせつ)という発電所のようなところから発生した電気信号が心房の筋肉を伝わって房室結節と呼ばれる中継地点を経て心室へ伝わり、心室の筋肉を収縮させ、血液は心室から、全身へと送り出されるのです。洞結節から一定の間隔で信号が発生する発生頻度が脈の速さであり、この電気的活動のどこかに障害が生じた場合、不整脈となるのです。 |
|
|
|
|
不整脈には、脈が不規則になるもの、速くなるもの、遅くなるなるものなどがあります。 |
|
心房が痙攣することによって起こる「心房細動」や「期外収縮」などがあり、心房細動は血栓を予防する薬やそれ自体を起こさないようにする薬を必要とすることが多いです。 |
|
内服薬や注射、外科的手術が必要な場合も多く早めに、ホルター心電図などで、不整脈の診断をつけることが必要です。頻脈性不整脈のなかで怖いのは、「心室頻拍」や「心室細動」で、急に意識が消失したり、突然死の引き金にもなります。 |
|
めまい、ふらつき、息切れが起こったり、失神することもあり、心不全をおこしている可能性もあります。その場合、ペースメーカー埋め込み手術などが必要とされます。 |
|
「心室細動」と「心停止」が考えられます。心室細動は、不整脈のなかでも危険な状態で、心臓の心室が痙攣を起こし、血流が停止し、意識がなくなります。1分間の脈拍数は300〜600回になるといわれ、心臓から血液
が送られないため、すぐに意識を失い、数分で脳死が始まるともいわれています。すぐに心臓マッサージを開始しなければ死亡に至る大変危険な状態です。
このように不整脈には、早急に治療を必要とするもの、経過観察でよいものなどがあり、発生頻度や脈の速度だけでは「怖い不整脈」であるかどうか判断できません。重大な事態になる前に専門医の診断を受ける必要があります。
|
|
|
|
|
|
不整脈は、不整脈そのものが病気の場合と、他の病気の結果出てくる場合があるため、心電図の他に血液検査や心臓超音波(心エコー)検査などを行い、何か他の病気が隠れていないかをチェックします。
さらにホルター心電図、運動負荷心電図、などによって検査をします。 ホルター心電図は、不整脈の診断にはかかすことができない検査で、携帯式の小型の心電計をつけたまま帰宅してもらい、一日の日常生活の中で心電図がどう変化するかをみる検査です。
不整脈の数がどれくらいあるか、危険な不整脈はないか、症状との関係はどうか、狭心症は出ていないか、などがわかります。 運動負荷検査は、階段を上り下りするなどして、運動によって不整脈がどのように変わるか、狭心症が出るかどうかをチェックします。
心エコー検査と運動負荷検査で異常がなく、ホルター心電図で危険なタイプでなければ、いくら不整脈が数多く出ても、まず心配する必要はないのです。
まずは、怖い不整脈(治療が必要)であるか、怖くない不整脈(治療の必要がない)であるか必要な検査を受けてより詳しく診断してもらうことが大切です。
|
|