伴野内科クリニック
 
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旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)
 
  旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)とは、飛行機などの狭い座席に長時間座っていることが原因で、血行不良が起こり、脚の静脈に血のかたまり(血栓)ができる病気。足の静脈にできた血栓が右心房→右心室 →肺動脈と運ばれて、肺動脈に閉塞を生ずると、肺動脈塞栓症になり、死亡することもあります。この名前から、エコノミークラスだけで起こると思われがちですが、世界ではファーストクラスやビジネスクラスでの例も報告されています。そこで今では、「ロングフライト症候群」とか「旅行血栓症」という名称に変わりました。また、2年前の新潟中越地震で3日間以上自動車で寝起きした中高年者の方に、肺塞栓症(旅行者血栓症) が起こりました。長時間の運転を続けていたタクシーの運転手の例も報告されています。
肺塞栓症になりやすい環境と、なりやすいリスクを持った方・・・条件が揃えば、飛行機の中だけに発症する病気ではないのです。海外旅行や乾燥したところに長時間同じ姿勢でいる(下記参照)ことが予想される場 合は気をつけましょう。
旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)とは?
 
  旅行者血栓症とは、長時間、座席に同じ姿勢で座ったままでいることなどで、足の静脈の血が流れにくくなり、血のかたまり(血栓)ができ、これが血液の流れに乗って移動し肺動脈まで運ばれ、そこで詰まると息切れや呼吸困難などを起こしてしまう症状の総称です。
飛行機の中は空気が非常に乾燥(湿度20%以下の場合も多い)していますので、気がつかないうちに体からは、1時間におよそ80ccもの水分が失われていると言われています。9時間乗っていると、約700ccもの水分が失われることになります。体の水分が失われると、血液が濃くなり粘り気が増し、長時間、足を伸ばさない状態でいると脚が圧迫されて血のかたまり(血栓)ができやすくなるのです。血栓が血管の中を流れてゆき、肺動脈に詰まって、重症の場合には命を落としてしまうこともあります。
この症状がでるのは、上記で述べたように、飛行機の中だけではありません。また、飛行機の中で原因をつくることになっても、発症するのはフライト中から、フライト後一週間ということもあります。家に帰ってから3〜4日して、起こったものも飛行機による血栓症であるということもあるのです。
旅行者血栓症になりやすい条件とは?
 
 
発症した人の9割が女性で、平均年齢は60才と言われています。しかし、足を強く打ったサッカー選手の例もあります。下記の条件が3つ以上あるか、予想される場合は注意しましょう。
なりやすい条件
旅行者血栓症の予防
 
 
旅行者血栓症は死に至ることもありますが、予防が可能です。
水分を補給する
1時間に80ccを目安に補給しましょう。 スポーツドリンクも効果的です。
アルコールやカフェイン飲料を飲み過ぎない
お酒やコーヒーなどのカフェイン飲料は、血液中の水分を奪い利尿作用があるので、飲み過ぎると体内の水分がかえって少なくなってしまう場合もあります。
ゆったりした服装
身体をしめつけて長時間いるのは、動かさないのと同じことになります。状況に応じて、靴を脱ぐ、ベルトをゆるめるなども効果があります。
身体を動かす
長時間、座ったままの状態が続く場合、手足を動かす、時々歩くなどが効果的ですが、座ったままでも、ふくらはぎや太ももをマッサージしたり、足首を回す、足の指をグーパーと広げるというような運動をしましょう。 足を組むのは、血流がとどこおるので短時間にしましょう。