伴野内科クリニック
 
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肺炎
 
  肺炎による死者は年間約10万人以上です。死亡原因の順位は、最近20年間ずっと第4位を占めている病気です。治療技術が進歩しているのに順位は変わりません。これは、薬が効きづらい細菌が増え、治療が難しくなっていることもあります。また、高齢者社会となり肺炎を発症する人は逆に増えている、高齢者は症状が出にくく発見が遅れる場合があるといった理由によります。最近、誤嚥性肺炎といった特に高齢者の方の発症が多い種類の肺炎も注目されています。高齢者や乳幼児、他に疾患のある方は、免疫機能が弱く、細菌やウイルスなどに対抗する力が弱いので、若い方より発症しやすいのです。 特に心臓や呼吸器に慢性疾患のある方、腎不全、肝機能障害、糖尿病のある方などでは、肺炎などの感染症にかかりやすく、病状も重くなる傾向があります。若く健康な人でも、風邪をひいている、疲れているといった状態であれば、免疫力が弱くなっていますから気をつけなければなりません。
肺炎が怖い病気というイメージがなくなっていますが、肺炎を軽んじることで、治療が遅れることもあります。肺炎を疑われたらすぐに医療機関を受診してください。
肺炎とは
 
  肺炎とは、一般的に細菌やウイルスなどさまざまな病原体に感染し、肺に炎症が起こった状態をいいます。肺の炎症はアレルギーや化学物質などでも起こる場合もあります。
肺は、毛細血管を通じて血液中の酸素と炭酸ガスの入れ替えを行っています。肺に炎症が生じると、その部分での酸素と炭酸ガスの入れ替えが不可能となり、炎症が広い範囲におよぶほど、酸素不足状態が強まり、 呼吸困難が起こり、重症になると死に至ることもあります。
一般的には、病気にかかっていたり、高齢のために免疫力が弱っていると肺炎を起こしやすくなります。また、かぜやインフルエンザで気管支の炎症が生じ、のどを素通りした病原体が肺にまで到達し、炎症を起こしてしまうことも少なくありません。もちろん、かぜにかかっても病原菌に負けない免疫力を持っていれば肺炎になることはありません。
肺炎の種類
 
感染性肺炎
 
  細菌性肺炎というのは、その原因になる病原体が細菌であるという意味で、ほとんどの肺炎が細菌性肺炎です。原因菌は肺炎球菌が最も多く、次いでインフルエンザ菌です。そのほか、黄色ブドウ球 菌やクレブシエラ菌が原因になります。
ウィルス性肺炎
  呼吸器系ウイルスの感染が原因の肺炎です。ウイルスが肺炎を起こす場合をいいますが、、ウイルスと細菌が混合感染して肺炎を起こす場合、ウイルスが先行感染し、患部が細菌感染起こす場合もあ るので注意が必要です。
非定型肺炎
  微生物病原体である肺炎マイコプラズマの感染で発病します。飛沫感染などによる濃厚感染であり、学校、幼稚園、などの比較的小規模な範囲で、地域的に流行します。
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非感染性肺炎
  唾液、食物などが気管に入り(誤嚥)、そのために生じた肺炎のことです。
健康な若い人の場合、異物が気管に入ったりすると、激しく咳込んで、その異物を気管の外に出してしまいます。しかし、高齢者や脳梗塞などにより、のどの反射(嚥下反射が低下している人の場合は、口の中の細菌で汚れた唾液や食物を出すことが出来ず、気管から気管支に入ってしまい、肺炎を起こします。
過敏性肺炎
  有機性のチリなどを長期間吸い込み、免疫反応を起こして発症するアレルギー性の肺炎です。
薬剤性肺炎
  病気の治療で投与された薬剤が原因となって引き起こされる肺炎です。
   
早期に気がついて…改善することが大切
 
  のどの痛みや鼻水、鼻づまり、せきといった症状はかぜによるものですが、進むと、高熱、呼吸困難、全身倦怠感、悪寒、胸痛など、肺炎の症状が現れるようになります。かぜだと思って放置すると重症となる場合がありますので、以下の症状が見られたらなるべく早くかかりつけの医師の診察を受けるようにしましょう。特に、高齢者の場合は、肺炎にかかっても咳や痰といった典型的な症状が乏しいこともあるので注意が必要です。
    1、かぜがなかなか治らない。
2、咳や痰がふえた。
3、悪寒をもとなう高熱がある。
4、胸が痛く、呼吸が苦しい。
5、食欲不振で、元気がない。
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早期に気がついて…改善することが大切
 
  肺炎は、かぜから気管支炎になり、その後肺炎を発症してしまうという経過をたどることが多いので、かぜにかからない元気な身体を作る(免疫力を高める)のが一番です。まず、バランスのとれた食事、適度な運動、規則正しい生活が基本となります。
肺炎は、かぜとは違って、肺炎は自然に治る病気ではありません。いつものかぜとは違うなと感じたら、速やかに医師の診察を受ける必要があります。
    1、かぜをひかないように注意する。
2、うがいや歯磨きでいつも口の中を清潔にする。
3、自分のアレルゲンを知り予防対策をとる。
4、換気をよくし、室内の空気を清潔に保つようにする。
5、禁煙する。
  肺炎球菌による細菌性肺炎の予防-肺炎球菌ワクチン
  肺炎の原因となる微生物には各種細菌やウイルスなど、たくさんの種類があります。しかし、肺炎球菌は、その中で最も重要な位置を占めている細菌です。肺炎球菌によって引き起こされるいろいろな病気(感染症) を予防するための肺炎球菌ワクチンがあります。このワクチンを接種しておけば、1回の接種で23の型ほとんどに対し(すべての肺炎球菌による感染症の8割ぐらい)、有効レベル以上の免疫ができます。この免疫はよく持続して5年以上続きます。
よって、肺炎球菌ワクチン接種は、次のような方に特にお勧めします。

◇65歳以上の方 ◇心臓や呼吸器に慢性疾患のある方 ◇腎不全や肝機能障害のある方
◇糖尿病の方 ◇脾臓の摘出手術などで脾機能不全のある方

接種費用は、脾臓の摘出手術を受けた方以外保険適用ではありません。
当院では8,400円(消費税込み)です。
  誤嚥性肺炎の予防
  誤飲はもとより、無意識に少しずつ誤嚥してしまう場合の注意が必要です。深酒をして睡眠中に嘔吐したというような場合も細菌が気管に入りやすくなります。高齢者や脳梗塞をおこしたことのある方は以下のような注意をしてください。
    1、食事のスピードはゆっくりと。
2、歯の具合の悪い人は歯科医で適切な治療を受ける。
3、口の中を清潔に。できれば毎食後歯みがき、あるいは入れ歯の洗浄を。
4、体の不自由な人でも、食事中、食後1、2時間は上体を高くする。