伴野内科クリニック
 
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排尿障害
 
  中高年になると、排尿に悩む人が多くなります。また若い人でも、少なくありません。
トイレが近い、急に尿意をもよす、尿が漏れることがある、尿の勢いが弱い、排尿後まだ尿が残っている感じがするなど、排尿のトラブルは多くあります。これらの原因は、加齢だけでなく病気のシグナルかもしれません。がんなどの病気によって起きる場合もあるのです。
加齢のためとあきらめたり、恥ずかしいので相談しにくいといって放っておくと病気の悪化につながるかもしれません。また、大きな病気が原因でなく「トイレが近く、時々もれそうになるだけ」というような場合も治療が可能になっています。「トイレが近い」というストレスをなくすことは、他の病気の予防にもなります。症状の軽いうちに医師に相談しましょう。
排尿障害とは
 
 
一日に約1〜1.5リットルの尿が腎臓で作られます。膀胱の大きさは200cc〜300ccですので一日に数回トイレに行って排尿します。夏などは汗をかいて尿としての排尿が少なくなります。1日に10回以上トイレに行く、尿の出が悪い、排尿時に痛いなど以下のような症状を一般的に排尿障害といいます。
排尿障害と関連する病気
 
 
排尿障害は、これらの病気によって、あるいは薬の副作用などで起こる場合もあります。
毎日の尿の色や排尿時の感覚などを観察することも大切です。少しでも心配の場合は、早めに相談しましょう。早期の治療が大切です。
今回は、「過活動膀胱」について解説します。
過活動膀胱(OAB)
 
 
40歳以上の男女の8人に1人が、過活動膀胱の症状をもっているといわれています。 全国で800万人以上ということになります。
膀胱の筋肉の勝手な収縮は、神経の病気、脳障害、前立腺の病気によっても起きますが、明らかな原因がないのに起きる“特発性排尿筋過活動”が多いです。
日本排尿機能学会では右記の過活動膀胱チェックシートをつくり指針としています。*の項目を含んで3点以上だと過活動膀胱が疑われます。
5点以下:軽症 
6〜11点:中等症 
12点以上:重症
このチェックシートは、日本排尿機能学会のホームページからダウンロードできます。
過活動膀胱は治療が可能な病気です
チェックシートが高得点だからといってすべて過活動膀胱とはかぎりません。病歴、症状、身体所見、血液検査、尿検査などにより診断します。
過活動膀胱と診断されると、治療は薬物療法が中心になります。また、排尿時の訓練を中心とした行動療法(水分摂取の管理、排尿のがまん、時間排尿、骨盤低筋訓練など)も行います。
過活動膀胱は、受診率の低い病気の一つです。きちんと治療すれば改善できる病気で、早めの治療で症状の悪化を防ぐこともできます。
過活動膀胱は、2002年の国際禁制学会で提唱されたばかりの新しい病気の概念です。まだ知られてないために、多くの人が「年のせいだから…」とあきらめているのが実情です。しかし、治療を受けることで、排尿障害のストレスから解放可能性が高まり、他の病気の予防にもつながります。早めに受診しましょう。